風水
台湾の店にはいると、よく水関係の置物が置いてある。金魚鉢とか水盆とか壺とか。日本語の達者な店主に聞いてみると、これらはみな風水に関したものであるらしい。水は特に客商売には必須なもので、商売繁盛の要になるもののようだ。台湾の人たちは結構な金額を払って金魚鉢の置き場所を風水師に決めてもらっているらしい。
風水には様々な流派があり、さらに風水師により解釈が異なる。金魚鉢には金魚を何匹入れろ、しかも赤は2匹で1匹は黒とか細かな指示が入る。金魚鉢の形も重要な要素になる。日本では有名な風水師が西の方に黄色のものを置くと金運が上がるとか言っている。財布も黄色が良いらしい。
玄関近くに金魚鉢などを置く場合と、奥の方に置く場合では意味合いが異なってくる。方角も重要だが、おおむね玄関先の金魚鉢は人の出入りを多くする。あまり近所づきあいを好まない人には用のないものだ。
方角も重要な要素だが、厳密に方角にこだわる原理主義者と、任意に方角の意味をつける構造主義的な人がいる。後者で有名なのは徳川幕府を江戸に築いた僧侶であるが、東京の風水構造は90度、実際の方角に対して傾いている。風水を考える場合、土地が本来持っている性格と、この人工的に作られた構造を同時に考慮しなければならない。
このような、人工的な風水を持ち込むためには都市計画に様々な仕掛けを組み込まないといけない。一度意味づけをされた風水構造はそれが運用された期間に比例してその要素を保ち続ける。すなわち300年続いた江戸の風水構造は300年は保ち続けると言うことである。
このことを知らずに、西に黄色とか東南のかどに金魚鉢とか言うのは、この大きな構造にとらえられて意味が変わってくる。もちろん本来の方角も影響はあるが、先に述べたとおり風水の目的が都市計画に関係するものであり、土地が本来持っている性格を人工的に変更するものであることを考えると、このあたりを考慮した解釈があまり見かけられないのがどうかなと思われる。